夕方散歩

窓から夕焼けが見え始めたので、
桂に見つからないようにこっそりと外に出た。
線路沿いの道路まで出て、夕焼けを撮っていたら
後ろから声をかけられた。
『何を撮っているんですか？』
イヤホンをはずしながら質問してきたお姉さんには
まったく気づかなかった。
道路をふさいでいてごめんなさい。
『ちょっと景色を…』
『ああ、電車ですか』
ちょうど、電車が通り過ぎていたのだが
（てっちゃんだと思われたかなあ）

どんどん変わる色を追いかけていたら
次に私を呼び止めたのは
2匹の蚊だった。
『キミに献血する気は無いよ』
追い払い、少し歩いた。

目で見た夕焼けの色に、一番近い写真。
写っている電信柱、かっこいい。
撮影している時はきづかなかったけど
夕暮れ時って、電柱のショータイムみたいじゃない？
だって、シルエットがくっきりだもの。

見ているようで見えていないもの。
目に入っているはずなのに、見ていなかったもの。
沢山ある…んだね。



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